■ 豊田市足助町西町 S様邸
足助を代表する町並みに合う家
■ソーラーサーキットが使えない家での挑戦
「忙しい私に合わせてくれて、ともかく何回も足を運んでくれました」と、澤田さん。
教育者として、毎日があわただしい澤田さんのご希望は、お母様と二人で暮らす家が、もっと便利で心地いいものであって欲しいことでした。
そこには、名誉ある大変な条件がありました。「歴史的なまちなみ景観を守り伝える豊田市景観計画で足助景観重点地区編(足助景観計画)が決まって、ウチがその中に入っているのです」
リフォームも、建て替えも安易な方法ではできないのです。
「岡山さんが勧めてくれるソーラーサーキットも使えないってことで、どうする?と悩みました」
■足助の町並みに溶け込めて、住む人にも優しい家
でも、基本的に家は人が住む所、安らぐ場所です。みんなでさてと考えた結果「私たちの希望をとことん聞いてくれましてね。その時間が楽しかったなぁ」と思わず笑みがこぼれる澤田さん。
「私は火を使わない台所と、段差がない家がよかったの」とお母さんも当時を思い返されます。
どんな条件があっても、住む人に優しくなければという思いのもと、すべての部屋の換気を一手にまとめる方策を考え、家の壁の中に設置。空気の流れのある家が実現しました。
■素足・心に気持ちいい自然素材をふんだんに
2階の町並みに沿った部屋。通り側は全面窓ですが、外側は木製窓枠で、内側はサッシの二重です。床は天然木に植物性の塗料で仕上げたフローリング部屋で「この素足にすっとなじむ感覚が好きですねぇ」とくつろぐ澤田さん。
お母様のご希望もかなって「もう、袖に火が移る心配もしなくていいし、段差がないから安心」だといわれます。「でもね」ちょっと笑ったお母様。「よその家に行くと、段差があるのよね。あれに転びそうになるの」
世の中が全部バリアフリーになるには、もう少し長生きしていただきかねば。でも、この家なら……ケガもしなくて大丈夫でしょう。
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